第29回 猫との出会い~成長の機会~
山木 暢(学校法人神戸学院) 2008年5月3日、長女が自宅近くの公園で2匹の猫(生後2週間くらい)を拾ってきた。2匹とも健康状態は良好なようであった。家族の誰かが、我が家で飼うと提案した訳ではないのだが、私は「猫だけはアカン。だれかもらってくれる人を探してくれ。」と言った。 昔から猫が嫌いであった。猫嫌いの理由としては、母親が極度の猫嫌いであったためとしか今となっては思い浮かばない。母親は、銭湯帰りに「家の前に猫がいて自宅に入れないから迎えに来て。」と公衆電話で連絡してくるくらい、猫が苦手であった。 すぐに里親探しが始まった。まず、猫好きの同僚に電話をしてみた。ご家族に反対され、一旦は断られてしまったが、その後、同僚の説得の甲斐があり、ご家族はしぶしぶ飼うのを了解し、6日後に我が家から1匹が巣立っていった。 残りの1匹も別の同僚の知り合いに引き取ってもらうことになり、その翌日には我が家から猫はいなくなった。当初の望みどおりになったが、私の心は寂しさで一杯になってしまった。たった1週間ですっかり猫好きになってしまったのである。その後、私の気持ちが通じたのか、同僚の知り合いに引き取ってもらった猫が帰ってくることになった。メスだと思って譲渡したのだが、実はオスだったというのが理由であった。(その後、その理由が正しいことを痛感することになる。) そのあと6年間のうちに猫は増え、合計3匹になった。朝は猫に起こされ、餌やり、トイレの掃除、吐き出した毛玉の片付けをすることが毎朝の日課になった。最近、最初に飼い始めた猫のマーキングがひどくなり、おむつをはかせることも日課に加わった。マーキングという行動はオスに多くみられるらしい。おむつをはかせる時、猫の機嫌が悪いと後足で手を引っかかれることも多く、生傷がたえない。私には自覚がないのだが、周囲からみると、嬉々としてこれらの日課をこなしているらしい。猫を飼う前からすると劇的な変化である。 このようにして、動物の好みが全く反転したのだが、大学事務職員人生においても同じく「好き嫌い」に変化があった。就職する前は学生課や就職課に配属希望であったが、実際に配属されたのは教務課であった。希望通りでなかったため、最初は不安であったが、栄養学部や教職課程といった学外実習が必須である分野の担当になり、実習関係の業務を通じて学生との距離感も...