第46回 キャンパスへの思い

岡本 浩輔(学校法人栗本学園)

 JUAMリレーコラムのご指名ありがとうございます。
 まず、簡単な自己紹介です。私は、2009年3月に新卒採用で母校へ入職しました。入職前の段階から渉外部門への配属が仮決定していた関係で、4年生の後期にはアルバイトとして同部門での修行を命ぜられ、大学職員としてのキャリアを歩み出しました。ところが、本採用時には法人本部への配属となり、とても驚いたことを今でも思い出します。
 現在は、法人本部のチーム・リーダーとして、主に設置認可、認証評価、財務、法人運営、人事労務などの業務を担当しています。

 前置きが長くなりましたが、キャンパスへの思いと題し、個人的に思っていることを書いてみたいと思います。所属組織の話題が主ですが、あくまでも組織とは関係のない個人的な意見としてご高覧いただければ幸いです。

 さて、本学園は「フロンティア・スピリット(開拓者精神)」を建学の精神に掲げ、名古屋商科大学を主に、同大学院、名古屋国際中学校・高等学校及び国際高等学校を運営しています。メインキャンパスは「日進キャンパス」であり、愛知県日進市に所在する約70万㎡の校地に、法人部門、名古屋商科大学及び国際高等学校を設置しています。特に、国際高等学校は正規の高校(一条校)として2022年9月に開校し、英語で国際バカロレア資格のDPを提供する教育課程かつ、男女共学のボーディングスクール(全寮制)の2つの特徴を持つ全国的にも珍しい学校です。

現在の日進キャンパス

 名古屋商科大学は系列の高校が所在する名古屋市内のキャンパスに、大学施設を増築する形で1953年に開校しました。開校当初より創立者がカナダの大学で学んだ経験から、海外の大学をモデルとしたキャンパスを築きたいという夢が本学にはありました。
 その夢を実現する為、1968年に現在のキャンパスに大学を移転し、校舎や施設などを徐々に拡充した他、キャンパスの緑化に取り組みました。日本の四季を感じられる現在のキャンパスに至るまでには、植樹した樹木等が成木に成長する期間として、約半世紀の歳月を要しました。これは、現在の写真と移転より9年後(1977年)に撮影した写真とを比較していただければ、よく分かると思います。

1977年当時の日進キャンパス

 しかし、近年は郊外から都市部へのキャンパス移転に関する話題が多く、大学進学を検討する際に考慮する点として、教育内容や施設の他、交通利便性が重視されていることがその背景にあると思います。
 大学がミッションに基づき教育・研究を実施するためには、定員規模に応じた十分な校地が必要だと考えます。これは、大学設置基準等の一部を改正する省令(空地・運動場に関する特区制度の全国化)の施行時に通知された内容を確認しても、空地と運動場に関する代替処置を設けるものであり、大学には相応の施設や空地の保有が求められている点は従前と変わらないはずです。
 ただ一方で、少子高齢化の中、私学として経営の安定に資する入学者数を満たしつつ、大学の3ポリシーに即した学生募集を展開する必要があります。安易な学生募集はその場しのぎの対応となってしまい、持続的な大学の発展には繋がらないと思います。
 本学では国際化を戦略の中心に掲げ、ビジネスを英語で学ぶ課程(経営管理課程)を設置し、留学生やIターン学生の募集活動を展開している他、先に紹介した国際高等学校の開校等、次の100年に向けたキャンパスの活用計画を進めることで、キャンパスの長寿命化に取り組んでいます。特に教育・研究の国際化を推進する為、国際認証取得の取り組みや、既存施設をリノベーションすることで建物の有効活用にも力を入れています。
 また、結果としてキャンパス移転に要する多額の資金は、学納金に転嫁せざるを得なくなります。本学では既存のキャンパスを教育・研究の拠点として維持・発展させていくために、様々な取り組みを継続して実施する予定です。

キャンパスの高台から桜と学旗を望む

 是非、本コラムをきっかけに、自大学の歴史やキャンパス計画について考えてみていただければ幸いです。

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