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第61回 東京の中心で地方大学を叫ぶ

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外丸 利行(共愛学園前橋国際大学)  先日、工学院大学様で開催された文部科学省高等教育局 大学教育・入試課長 石橋 晶 様による講演会に、パネリストとして参加させていただきました。テーマは「少子化という社会課題に向き合う大学とは」というもので、現在「大学」という機関に身を置く者として、大変関心の高いものでした。  私からは、地域のコミュニティや初等中等教育機関、企業などと連携し、地域にとって必要不可欠な存在となることの重要性や、既存の大学ヒエラルキーからの脱却に向けた想いなどをお話ししました。地方の小規模・私立大学に勤務する一職員として、個人的な見解を自由に述べる機会をいただけたことを感謝し、まさに「東京の中心で地方大学を叫ぶ」というタイトル通りのことを行って来ました。  私の発言がどの程度ご参加の皆様の参考になったかはわかりませんが、石橋課長や、同じくパネリストとして参加された北星学園大学の鈴木峰子さんのお話は非常に示唆に富んでおり、またモデレーターを務められた京都文教学園の村山孝道さんの見事な進行もあり、私自身、非常に貴重な学びを得ることができました。このような機会を企画・運営された皆様に、この場を借りてあらためて感謝申し上げます。  今回の議論は地方の小規模私立大学に焦点を当てたものでしたが、会後の懇親の場で、首都圏や大阪、京都、名古屋といった都市部に位置する小規模・私立大学の課題についても、今後さらに同様な議論が必要だと痛感しました。立地条件や規模、設置者の違いなどにより、普遍的な解決策が存在しない中で、各大学が生き残りをかけた戦略を模索している現状を改めて認識し、このような複雑な課題に対し考え続ける必要性を感じています。  講演会で発言させていただいたものに、大学の「規模」の適正化がありました。大学業務、とりわけバックオフィス機能の効率化は、今後の大学経営における重要課題だと考えています。たとえば、大学等連携推進法人などの対応を検討することも一つの選択肢ですが、それぞれの大学の置かれた状況や事情に応じた最適解を見出す必要があるなど、多くの困難や課題があります。その際、自大学だけでなく、地域や他大学の状況も包括的に捉え、「自分事」として行動を起こすのは、私たち大学職員の役目であり、責務だと考えています。  しかし、日々の業務に追われ視野が狭くなりがちな現状の...

第60回 飛び込むことで広がる世界

 山中 耕(京都文教大学・短期大学) 長い間、私にとって JUAM とは、身近なようで遠い存在でした。   私が JUAM に入会したのは今からちょうど 2 年前です。以前から、同じ職場の身近なところに JUAM で活動している先輩がいたのですが、精力的に活動する姿を間近で見ていたが故に、自分が主体的に動かなくても先輩を通して情報が得られる・ネットワークにつながれるという甘えや、自ら足を踏み入れるといろいろ巻き込まれて大変そうという警戒心などから、なんとなく入会することを躊躇してしまっていました。 しかし、 2022 年にその先輩が学園内の別のキャンパスに異動となったことで変化が生じます。それまでの先輩を通じたつながりや情報が途絶え、孤立感を感じるようになりました。このままでは組織としても個人としても良くないのではないかと思い、 2023 年の 5 月に JUAM への入会を思い立ちました。 ただ、入った当初は完全にアウェイな状況でした。特に 1 年目は何をすればよいのか全く分からず、唯一、対面で参加した研究集会でも、ほぼ特定の知り合いとしか話せず、ほとんど入会した意味を感じられていませんでした。   ところが、昨年、研究・研修委員会企画の「 JUAM で語ろう」にファシリテーターとして参加したことをきっかけに、大きく変わっていくことになります。 この企画は、若手や JUAM 歴の浅い会員、入会を検討している方を対象に、トークセッションやグループディスカッションを通して大学職員についてざっくばらんに語り合う場を作ることを目的としており、他の研究会の企画とは少し毛色の違うものでした。私はなぜか、最初にこの企画の案内メールを見たときから気になっていたのですが、そこにたまたまのご縁で個別にもプッシュをいただいたこともあり、自分がうまく務められるかという不安よりも、一歩踏み出してみようかという気持ちのままに、勢いに任せてファシリテーターに手を挙げました。今、改めて振り返ると、なぜあのときあそこまで前向きな気持ちになれたのか、自分でも不思議です。   その後、 2 度ほどオンラインで打ち合わせをしただけで迎えた 1 回目の研究会。当日は緊張と場を回すことに必死で、正直、自分が何をしゃべったかもはっきりとは覚えていませんが、パネ...

第59回 業務を振り返って思うこと

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 藤田 圭子(武庫川女子大学)  2022年に入会した武庫川女子大学の藤田と申します。この度は、JUAM会員リレーコラムの機会をいただきまして、ありがとうございます。  私の経歴をお伝えしますと、新卒で入職した女子短期大学の学生課、キャリアセンター、入試広報を経験後、専門学校の学生募集に約10年携わり、広告代理店勤務を数年経て武庫川女子大学に入職いたしました。武庫川女子大学では教務2年、リカレント教育センター3年めを迎えました。  思い返せば新卒の頃は、「学生さん大好き!学生生活の役に立ちたい!」という熱い想いだけで走っているところが多々あり、とってもエネルギッシュで楽しい日々を送っておりました。現在は、当時に比べると多少落ち着き、タイミングを見計らってものごとを進めていくことが増えてきたような気がします。  会議ひとつ取っても、任されて資料を作成するに留まらず、そもそも常任理事会を始めとする各種会議にはかるタイミングをはかるところから動いたり、他部署と調整・連携したりする機会も目に見えて多くなってきました。現在のリカレント教育センターという部署の特性もあるかと思いますが、確実に業務内容が変わっているなと実感できるのは有難いことだと受け止めています。  本学のリカレント教育センターについて紹介しますと、単独の部署としておいていない大学も多いなか、リカレント教育事業で売上を出そうと専従スタッフが少数ながら頑張っております。対象は、本学卒業生を始めとするすべての社会人を対象としており、もちろん男性も大歓迎です。女子大学でありながら女性リーダーの育成というテーマを敢えて外し、IT・DXに特化した150以上の講座をラインナップし2023年4月よりスタートいたしました。ちょうど1年が経ち、キャリアカウンセリング数が延べ912名、受講契約403講座と、気は抜けませんが決して悪くない状況です。このまま勢いに乗って事業を成長させたいと考えております。  さて、事業拡大には集客がポイントになってくる訳ですが、2年目は1年目と違って各種データが蓄積されているため、データに基づいてより効果的な施策の打ち出しをしていきたいところです。実は、「2年目はデータ分析と施策打ち出しに専念できるよう、隅々までデータドリブン思考で業務フローを組んでいこう!」と、立ち上げ当初に目標を掲げていたの...

第58回 若手職員と中堅職員の狭間で

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寺牛 恒輝(東海大学)    東海大学に入職してから、この4月で6年目となりました。入職後3年は札幌キャンパスでキャリア・就職業務を担当、 2022 年から湘南キャンパスに異動し、会議運営など企画系業務を経て、現在は本学全体の FD ・ SD 活動や学習支援に関する業務を担当しています。  最近は中堅職員としてリーダー的役割を求められることもありますが、個人の主観として仕事の取組み方はまだ中堅と呼ぶに程遠いな…と感じます。同時に「中堅」と「若手」の違いはなんだろう、と疑問が湧きました。  リクルートマネジメントスクールの WEB サイト※によると、中堅職員は一般的に入職3年目以降で役職についていない職員を指し、ある程度の業務を遂行できる能力を持っていると認識されるようです。チームの目標達成を主導し、現場と周囲及び管理職を繋げる架け橋として機能することが求められます。対して、若手職員は入職1年目から3年目までを指し、まずは確実に与えられた業務をこなすことが重視されます。ただ、中堅・若手職員といっても企業等によって定義や解釈は様々なようです。  以上の定義から、中堅職員はチーム運営の潤滑油として周囲を見ながら、自分軸をもって発信・提案をしていくことが必要であるといえます。一般的に中堅職員と呼ばれ始める入職3年目からの自分自身を振り返ると、自分軸を持った業務提案ができているという点もあれば、もう少しチームや業務の関係者が求めていることを受け止め、企画などに活かすことも必要ではないか、と痛感しています。そのような点でいえば、今の私は年次的に中堅職員であっても、若手職員と中堅職員の狭間でもがいているのかもしれません。  若手職員から中堅職員への転換に葛藤する私にとって、 JUAM での活動はよい刺激を受けています。 JUAM の存在を知ったきっかけは、入職が決まってから業界理解の書籍として『大学事務職員の履歴書』(大学行政管理学会 大学事務組織研究会 編)を手に取ったことです。各大学で業務改善を積極的に行い、 JUAM 設立にも尽力された大先輩の成功・失敗談の数々は、大学職員になることに不安を感じていた私の背中をそっと押してくれました。同時に私の中で「将来は JUAM に入会して学び続ける職員になろう」という目標が生まれるきっかけとなりました。  その後、入職5年...

第57回 流されて大学職員、波に乗る

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 芳中 宗一郎(大阪産業大学) 「どうして大学職員になったんですか?」 大学職員の方は、一度は尋ねられたことがあるのではないでしょうか。 大学職員になって9年の私でも、何度か経験があったように思います。 私は現在、学長企画室で勤務しており、自己点検・評価、認証評価対応、教学マネジメント等に携わっています。またJUAMには、大学改革研究会の代表(2024年3月現在)として関わっています。 今では所属機関に留まらず活動させてもらえており大学職員を謳歌していますが、積極的な理由から大学職員になったわけではない私は、冒頭のように聞かれるといつもどう説明しようか迷います。 私の高校卒業までは、目先の受験勉強が全てであり、将来についてなど特に考えたこともなく、大学進学についても理系科目の方が得意という理由で何となく理系学部に進学しました。 そして大学入学後、受験がゴールだった私は、敷かれたレールから見事に解き放たれました。 友人や後輩とのハウスシェア、接客アルバイト、バックパッカーや国内旅行、登山にダイビング、コミックマーケットサークル参加、軽音楽サークルでコスプレライブ、、、目の前の楽しそうなことや面白そうなことに流され、気がつけば大学での学びの優先度は水底へ沈み、結果的には3年間留年することとなりました。 今振り返ると、私にとって必要で貴重な時間だったと感じますが、当時、今だけを生きていていつ卒業できるかもわからなかった私には、卒業後や将来のこと、就職活動についてなど考える機会がありませんでした。 ところが、入学7年目にして予期せず最終学年に進級できてしまった私は、急に1年後に社会に放り出されることとなり、就職について考えなければならない現実に直面しました。 しかし、私はここでも自己内省することはなく、卒業したらとりあえず働くものという一般常識に従って、遅れてスタートした就職活動でもフェアに参加できる業界を何となく探し始めました。 そこで見つけたのが、大学職員という職業でした。 熱心に大学に通っていなかった私は大学職員と接した機会がほぼなく、その存在について考えたこともありませんでした。 業界研究もせず、建学の精神という言葉も知らず、何となく募集が出たところに応募していた私でしたが、結果的には幸運にも今の職場に拾っていただき、大学職員として働く場を得ることができまし...

第56回 仕事以外の「場」

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大竹 秀和(立教大学)  私の生活や人生にとって、JUAMはたくさんある「場」の1つです。  JUAMはもちろん、応援している地元のJリーグチーム(アルビレックス新潟)のサポーターコミュニティ、音楽とフェスをこよなく愛す仲間とのライブ参戦活動、親友の立ち上げたNPO法人、そして現在所属する職場としての学校法人、これらは私自身が望んで参加している「場」です。  「場」を多く持つことは、楽しく生きていくうえでとても大事です。仕事で行き詰まったとき、やり場のない感情を抱えたとき、自然と自分が大事にしている「場」に足が向きます。そこでのやりとりや活動が、自分をリセットしてくれ、また日々の歩みを進めることができています。仕事以外で大事にしている「場」と、そこに関わる「人」がいなかったら、いったいどんな人生になっていたのだろう、きっと退屈だっただろうな・・・と思うことからも、人生の重要な局面で「場」を選択した自分の直感はなかなかのものだ、と自画自賛しています。  私がJUAMに入会したのは、2010年7月です。ちょうどこの頃私は31歳。長男が産まれたり、大学院に通ったり、手伝っていた友人の会社に転職するか悩んだり、人生を賭けていたバンド活動を辞めたり、という時期でした。JUAMという「場」に参加したのは、尊敬してやまない他大学の職員に憧れて、というミーハーな動機なのですが、入会当初は「学会」という名称も含め、懐疑的・批判的なスタンスで関わっていたのが正直なところです。その後、2012年から参加した研究・研修委員会に所属するメンバーや、定期総会・研究集会での全国各地の仲間たちとの出会いを通じて様々な気づきがあり、ただ批判するのでなく、JUAMという組織そのものを少しずつ変えていく、という動きのほうがよほどポジティブだし自分に合っているなと考え、現在もJUAMという「場」に足を運んでいます。  大学も本格的に淘汰の時代に入り、おそらくこれまでのような横のつながり、情報の共有といった、大学業界の特徴であり、ある種財産といえる関係性を維持していくことは難しくなるのだと思います。すでにその兆候は、そこらかしこに見えてきています。  ただ、もしその時が来たとしても、今ある「場」でのつながり1つ1つを大事にしていくことで、きっと新たな機会や「場」が生まれ、つながっていけるのではないでしょうか...

第55回 JUAMとの出逢いに感謝

門馬 利光(東北福祉大学) 「2011.3.11」 忘れもしない東日本大震災。 生きることの難しさ、そして大切さを改めて学んだ大きな出来事。 自然災害の恐ろしさを実感しているなか、勤務する大学では復興に向けたボランティア活動が盛んで「がんばろう東北!」を合言葉に、学生と教職員が一丸となって支え合っていた時期。 今の自分に何が出来るのか。 大学のために、そして学生のために。 いろんな感情抱きながらも、先ずは、大学職員として必要な「学び」を経験し、その「学び」を自大学や学生のために貢献できるようしていきたいと考えました。 このように自己研鑽の場を求めているなか、大学職員が中心となって運営している大学行政管理学会に出逢いました。 「大学行政・管理」の多様な領域を理論的かつ実践的に研究することを通し、全国の大学横断的な「職員」相互の啓発と研鑽を深めるための専門組織」という学会の趣旨に大きく共感するものがありました。 その後は、東北地区の研究会、勉強会に積極的に参加し、自信の目的であった、大学職員として必要な知識を学ぶことができ、また、多くの大学職員の方々とのネットワークを肌で感じることができました。 2014年9月。 当時の東北地区の理事の方々のご指導とご支援があり、正式に入会することができました。 この学会に入会できたこと、学べていること、そして仲間に出逢えたこと、心から感謝しています。 これからは、自己研鑽を進めていくことと共に、私が諸先輩方にご指導いただいたように、後輩の方々への成長にも貢献できればと考えています。 現在は、東北地区理事、そしてタスクフォースの一員として、JUAMの活性化等に注力しておりますが、私を育ててくれたこのJUAMを、同じ思いを持った大学職員の研鑽の場として活用され、これからの高等教育に必要な「学び」を、このJUAMから発信できるように私も皆様と共に成長していきたいと考えております。 最後になりますが、このJUAMの研修会で出逢った言葉で締めさせていただきます。 「土の匂いがする、風の人」 土とは、その土地(地元)のこと。 風の人とは、他の土地から訪れる人。 私たちの住む仙台(土)に惹かれ、訪れる高校生や学生(風の人)を大切にしていきたい。 そして、愛される街、愛される大学づくりをしていきたい。 「3.11」を経験した我々だからこそ、元気を出し...